2013年4月26日金曜日

初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識 その2・種まき編

至る所で藤が綺麗な花を咲かせているのに、私の庭藤はまだ小さい葉っぱががんばって出てきているところです。
花は咲いてくれるのでしょうか、と言っても寒肥がだいぶ遅かったので文句は言えませんが。

こんばんは。

さて、道具編に引き続いて、種まき編です。

種まきの基本の手順としては、鉢や黒いポリポット、卵のパック(※)なんかに清潔な土を入れて水で湿らせた後、種をまいて土をかぶせて霧吹き等でうっすら水やり、という感じです。

土は種まき用の土じゃなくても大丈夫ですが、昔の鉢植えの土の使い回しとかはやめたほうがいいと思います。
ふんわりした状態に水を含ませると体積が減るので、気持ち多めに入れてください。


(※)卵のパック
種まきに卵のパックを使うというのは、プラスチックの卵のパックの片方の底に、錐なんかで排水用の穴をあけて土を入れて種を蒔けば、ふたができるので保湿もでき、光も通す。発芽後はふたを切り取れば鉢受け皿にもなっちゃって超便利!というものです。
ちょっと貧乏臭いかもしれませんが、確かに便利ですし卵のパックからちょこんと芽が出てくる様は非常に可愛い。

ただマメ科の植物なんかは、根がまっすぐ育つ直根性という性質があって移植を嫌うので、卵パックは避けたほうが無難です。


発芽の条件は水、酸素、温度なので、これらを用意すればOK。

●水


じょうろでじゃぶじゃぶ水をあげると、小さい種が流れたり、発芽したばかりの芽が倒れたりすることがあります。
そういう時には霧吹きか、腰水といって水を張った容器にポットを入れて底から吸水させるといいです。
長時間腰水していると水が悪くなるので、土が水を吸ったなーと思ったら外してください。

発芽までは乾燥にはじゅうぶん気をつけて、こまめに水をあげてください。
湿らせた新聞紙をかぶせたりするのもいいそうです。


種まきのときは肥料分のない土、ピートモスなんかを使えと書いてあることが多いと思います。
このピートモス、一度水分を含めば水持ちがいいのですが、乾いているとものすごく水を吸収しにくいです。底面吸水とかでがんばってください。

ピートモスはもともと酸性の土らしいので、土のpHを考えながら使うとき以外は「酸度調製済み」と書いてあるものを。


また、朝顔のように大きい種だと吸水しにくく、あらかじめ一晩くらい水につける必要があったりします。
この種大丈夫?と思ったら、蒔く前に種の名前で検索してみてください。
「そのまま蒔けます」的なことが書いてある種もあります。



●酸素


植物は光合成によって酸素を作りますが、生きるために呼吸もしています。
種のうちは光合成できないので、酸素が必要になります。

土の中にある種に酸素を供給するには、水はけのよい土を使うことと、適切な湿度を保つことですね。
乾かないようにと水をあげすぎると腐っちゃいます。



●温度


種を買うと「3月〜6月」みたいに種まきの時期と、成育適温、発芽適温が書いてあると思います。

「3月って書いてある!よし3月になったし蒔こう!」とテンションに任せて蒔くと、発芽したはいいけど育ってくれないorzみたいなことになってしまいます。
発芽適温・成育適温は重要です。

早めに蒔いてゆっくり大きくなるのも、暖かくなるのを待ってから蒔いてぐんぐん大きくなるのも、ある程度育てばあんまり変わらない気がするので、私は気持ち遅めに蒔いています。

逆に秋まきの場合は、気持ち早めに蒔きます。
寒くなる一方ですからね。


春まきか秋まきか


春まきと秋まき、両方できるものもあります。

春まきは春〜夏にかけて育つので、植物育ててるよ感は強いんですが、夏の水切れや病害虫の心配が出てきます。
夏は下手すると1日に2回水まきが必要になります。

秋まきは秋〜(冬)〜春にかけて育つので、水切れ・病害虫の心配はあんまりないんですけど、寒いのがネックになります。
寒い地域では秋まき自体が難しかったりします。

あと、うっかりしてると種まきの時期を逃すので、春まきのほうが私としては楽しいです。
秋は秋でチューリップなんかの球根ものが待ってますし。


低温処理


種が発芽の条件まで揃うまで待っているのは「種子休眠」といい、条件が揃ってさあ発芽するぞってなることを「休眠打破」というらしいですが、植物によっては、休眠打破のために、一定期間冷蔵庫に入れておくこと(低温処理)が必要になります。

その場合は、種が土に落ちてから冬が来た状態を再現するため、清潔な土に種を混ぜてから、湿らせた状態で冷蔵庫に入れます。
ビニール袋に穴を開けるとかして、乾燥しないようにする、種の呼吸を妨げない、冷蔵庫の中で温度があまり上下しないところに置く、という3点に注意します。
期間は植物によってまちまちだと思いますが1か月くらいでしょうか。

が、必要な場合は袋に書いてあると思います。
野菜とかハーブにはあんまり必要ない印象がありますが、以前カウスリップという、プリムラの仲間の種を買った時には低温処理をしろと書いてありました。
けど種が古かったのか、処理の仕方がまずかったのか、芽が出なかった悲しい思い出です。

ちなみに「春化処理」でも同じような作業をしますが、花芽形成のために低温にさらす場合を春化処理と呼び、厳密には、発芽のために低温にさらす場合は春化処理とは呼ばないらしいです。


●光


基本的には発芽させるだけなら光は関係ないんですが、「光発芽種子」「好光性種子」といって、光がないと発芽しないものもあり、厚く覆土すると芽が出にくくなるらしいです。
(私はばらばらと適当に蒔くので、発芽率を考えたことがありません……)
理科の時間では代表例としてレタスを習いましたが、バジル、シソなんかもこれです。

あと土は黒いので、光に当てたほうが温度は上がりやすいと思います。

発芽後はもちろん光は必要です。
足りないとモヤシ状態になってしまいます。

北向きにしてはわりと明るい部屋に住んでいたころにベランダ園芸を試みたことがあるのですが、人間が明るいなーと思っても植物にとっては光が足りなかったらしく、発芽後の初々しい芽がみるみる徒長(白っぽくひょろひょろのモヤシ状態になる)していきました。
直射日光が当たらず気温も低めのせいか、管理が難しかったです。

なので、同じような条件で園芸を始めようと思っている方は、種まきより苗を買ってきて育てるほうがいいかもしれません。



植え付け編に続きます。たぶん。



【初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識】

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