2013年4月30日火曜日

初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識 その4・水やり編

テレビでアメリカの富裕層の間で流行っている「ナチュラルライフ」の紹介をしていたのですが、どんなもんかなーと思って見ていたら、園芸だけでなく鶏小屋や養蜂箱も売れているのだそうです。
鶏小屋はまだしも、養蜂箱はちょっと予想外でした。

養蜂って、近隣の人の反応はどうなんでしょうね。
蜂は受粉を手伝ってくれるので園芸家は喜ぶかもしれませんが、ミツバチとはいえ蜂が増えて嫌がる人もいるのでは……。
と思いましたが、そもそもそういう人は田舎暮らしを選ばない可能性が高いですね。

さて、ちょっと間があいてしまいましたが、今日は水やり編を書こうと思います。

水やりの基本は、「土の表面が乾いたら、鉢の底から水がでるまでたっぷりとやる」ことです。


●原産地の気候

上の原則に加えて意識すると便利なのが、植物の原産地の気候。

たとえば、バジルは熱帯アジア原産だそうです。
ということは、暖かくて湿度が高いのが好き。
なので水切れには注意が必要。

一方でローズマリーは地中海沿岸が原産地。
ということは夏は乾燥しているのが好き(地中海性気候は夏の乾燥が特徴って地理の時間に習いました)。なので乾燥気味で大丈夫だけど湿気には注意。

という感じ。


●水やりの仕方

葉っぱに水がかかると傷んでしまうものがあるので、根元にあげるとよい、って聞くんですけど、外に出してれば雨が降るんだし、ざっと検索してみて「水かけちゃダメ!!」的なことが書いてなければ、そこまで神経質にならなくても大丈夫じゃないかなーと思います。
とは言っても、シャワーみたいに水をあげると実際どれくらいの水が鉢に入ってるのか分からないので、できるだけ根元にあげちゃうんですけどね。

乾燥しすぎて土がカラカラになってるときは、水をあげても土の周りから鉢を素通りしてしまうので、1回目にカラカラの土をふやかして、2回目に植物に水を届ける感じで、少し時間を置いてからあげるようにするといいです。

異様に早く水が抜けてしまう場合は、根詰まりを起こしている可能性があります。

また、水道から水をくんで水やり、という場合は大丈夫だと思うんですが、蛇口につないだホースから水やりをする場合、ホースの中で水が温まってお湯になっていることがあるので、冷たくなるまで待ってからあげてください。


●時間帯

水やりの時間帯は、気温がそれほど高くない時間帯、つまり朝のうちか夕方。
土は水より比熱が小さく、温度が上がりやすいです。
特に夏の日中、気温が上がってからあげようとすると、すでに土がかなり熱くなっているので、そこで水を上げるとお風呂状態になってしまいます。
あと鉢植えは乾きやすいので、夏場は夕方にも水やりをしたほうがいいかもしれません。


●長く家を空ける場合の水やり

鉢植えは鉢の中にあるもので全てなので、水が切れるとみるみる枯れます。
ですから長く留守にする場合は、何か工夫をしていったほうがいいです。
ホームセンターとかに行くと給水用の何かを売っていると思うのですが、鉢の数がそれほど多くないと、そういうのを買うのもなあ……という感じがするので、家にあるものでor安くできる方法をいくつか。

鉢を置ける場所の中で、できるだけ湿度の高い場所に置く。

あんまり日が当たらないと、光合成できなくなっちゃいますが。

底面吸水させる。

ひとまわり以上大きい容器に水を張り、鉢を浸けます。

ペットボトルのキャップの代わりに、給水用のキャップをつける。

ホームセンターとか100円均一にあります。
ペットボトルのキャップに穴を開けるだけでもいけるらしいです。
給水用キャップにしても穴を開けたキャップにしても、水が出るスピードの調節が難しいので、最後の手段かなあ。

毛細管現象を利用する。

鉢の隣に水を入れた容器を置いて、容器と鉢に掛け橋になるようにタオルを置くと、毛細管現象で水がタオルを伝わって鉢に行きます。


いずれにしても、こういう方法だと家を開けられるのは1週間が限度かなと思います。
植物は喋れませんが、生き物を世話するっていう点では動物とかわりませんね。




【初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識】

2013年4月29日月曜日

葵祭の「葵桂」

ミニトマトの苗を買うつもりだったのに100円均一で種を見つけてしまって、もうゴールデンウィークだというのにミニトマトの種まきをしました、こんにちは。

今日は水やり編を書こうと思ったんですが、日にちが近いので葵祭のことを書こうかなあと思います。

「葵祭」は京都の下鴨神社と上賀茂神社のお祭りで、平安時代の装束での行列が有名です。
源氏物語にも出てきます(葵上と六条御息所の車争いのシーン)。
毎年5月15日に行われています。

このお祭りに深く関わるのが「葵」と「桂」。
葵の葉と桂の枝をからませた「葵桂(きっけい)」という飾りを、お祭りに関わる人全員が身につけるんです。
5月中旬ともなると日中はけっこう暖かいので早々にしおれちゃいますが、よく見ると行列の人の烏帽子なんかにつけてあります。
どっちもハート型の葉っぱでかわいいです。


この葵桂の飾りは、当日神社で分けてもらうこともできます。
桂はいい香りがする、というのは葵祭のときに上賀茂神社で分けてもらって初めて知りました。
カラメルのような、甘い香りがします。

本来は紅葉の時期にこの香りを発するらしいのですが、黄色くなった落ち葉を嗅いでみても香りません。
緑のうちに匂いを嗅いでみても香らず、なんで葵桂の桂からいい香りがしたのかは謎。


また、この葵は葵の御紋のもとになっているフタバアオイで、ウマノスズクサ科の植物。
タチアオイなんかのアオイとは別物です。

このフタバアオイ、葵祭の日に上賀茂神社でなんとポット苗の頒布を受けることができました。
ただ販売しているのではなく、「里親になって、増えたら神社に返してください」というもの。
フタバアオイを増やそうというプロジェクトがあって、その一環だそうです。

遠方から来ていて返しに来れない場合はどうすれば良いか尋ねたところ、「お友達に分けたりして、そちらの土地で増やしていただければ結構です」とのこと。
他の土地で勝手に増やしたりして大丈夫なのか?と思ったら、昔は日本各地にあった植物なのだそう。
私はこういうの大好きなので(概ね興味本位ですけど)喜び勇んで買って帰りましたが、残念ながら枯らしましたorz
ちなみに桂も挿し木で増やせないかと思ってチャレンジしてみましたが無理でした。

下鴨神社と上賀茂神社の間らへんには京都府立植物園があるのですが、ここも植物好きにはなかなか楽しいです。

2013年4月28日日曜日

かわいいのに嫌われる植物

その爆発的な繁殖力ゆえに園芸家に嫌われる植物というのがあります。
が、その中にも意外にかわいい花を咲かせるものもあったりします。

うっかり庭に植えると手が付けられなくなったりするので自分で育てようとは思いませんが、咲いているのを見る分には楽しいです。


ナガミヒナゲシ(長実雛芥子、長実雛罌粟)

サーモンピンクの、ポピーを小ぶりにしたような花を咲かせます。
ポピーよりも落ち着いていて可愛らしいです。
ネット界隈では「ナガミー」と呼ばれています。
今ちょうどうちの近所に咲いています。


ツルニチニチソウ(蔓日々草)

つる性の植物で、花びらが5枚ある、紫の涼しげな花を咲かせます。
これも今うちの近所に咲いています。
斑入りのものもあります。
葉っぱだけでもきれいで、アレンジメントに使ったら良さげな気がします。

昔住んでいたところの近所に、庭が一面この植物で埋まっているお宅があり、花の時期はそれはそれは綺麗だったのですが、今考えると駆除を諦めただけという可能性がなくもない気が。


タカサゴユリ(高砂百合)

テッポウユリによく似た、白い百合です。
コンクリートの隙間から生えていたりします。
百合=値段の高い花というイメージがあるので、見かけるとテンションが上がります。取りませんけど。


以上は私が目にしたことのある、かわいい植物の例で、他にももっとあると思います。

こういった植物が「嫌われるけど可愛い」というのは偶然ではなくて、もともと観賞用として外国から持ち込まれたものが、たまたま日本の風土に合ったのかめちゃくちゃ増えてしまい、その結果嫌われる、というプロセスをたどっているようです。
外国から持ち込まれ、日本に根付いた植物は「帰化植物」と呼ばれています。

ナガミヒナゲシを駆除するために茂みに入ったら、その刺激で種がぽろぽろ落ちてしまい、翌年は駆除前より増えちゃったという話を目にして思わずフフッと笑っていまいましたが、笑い事じゃないですね。


最近では「オオキンケイギク」という、黄色のようなオレンジのような菊が問題になっているらしく、環境庁のサイトにものっています。
「侵略的外来種」「特定外来生物」とか調べると出てきます。


でもかわいいんだよなあ。とくにナガミー。

2013年4月27日土曜日

初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識 その3・植え付け編

道具編、種まき編に引き続いて、今回は植え付け編です。

鉢に入れるものは、下から順に、鉢底ネット → 鉢底石 → 土 → 苗、です。

つる性の植物など、支柱が必要なものもあります。


鉢底ネット

鉢底ネットは土の流出と、害虫の侵入予防のために入れます。
黒い鉢底ネット、または三角コーナー用のネットのしっかりしたもの(不織布は避けたほうがいいです)なんかを鉢底の穴より少し大きめに切って入れます。
その上に入れる鉢底石と土が重しになるので、貼り付けたりしなくて大丈夫です。


鉢底石

鉢底石は水はけをよくするために入れます。
鉢底石は野菜用や三角コーナー用のネットに入れたうえで鉢に入れると、植物を育て終わってからの分別が楽、と言われています。
が、小さめの鉢だとネットに入れるともこもこしちゃうので、私はネットに入れずにそのまま鉢に入れています。

ずぼらなもので、大きめの粒の赤玉土とか鹿沼土で鉢底石の代用ができないか?と考えたことがあるんですけど、赤玉土は最初が大粒でも次第にぼろぼろと崩れてしまうので鉢底石としての役には立たず、鹿沼土は土の酸性度を上げてしまうらしいのでやっぱりダメなようです。
(鹿沼土を鉢底石代わりに使ってミントやバジルを育てたことがありますが、意外に大丈夫だったので、酸性土壌が苦手でなく、繊細でない植物ならいけるかもしれません。)


また、土を入れるときは、鉢いっぱいに入れるのでなく、縁から2cmくらい低いところまでにします。
この2cmはウォータースペースといって、水やりの時に水が鉢からあふれないようにするための空間です。


根鉢を崩すor崩さない問題

根鉢とは、苗からポットを外したときに細い根がぐるぐる回って、土を鉢状に固めているアレです。
本なんかを見ると、「根鉢を崩す」と書いてあったり「根鉢は崩さない」と書いてあったりして、どうせいっちゅーのという感じです。

根鉢を崩すのは、根をリフレッシュさせて根付きをよくするため、
根鉢を崩さないのは、根を痛めないため。
らしいのですが、結局どうするのかは、調べてみても植物の種類・状態・植え付ける時期を考慮に入れて決めなければいけないらしく、一概に「これ!」とは言えないっぽいです。

私はミントのような、どうなっても大丈夫なくらい生命力のある植物は崩しますが、基本的には崩さないようにしています。
そのせいでダメになったらショックなので。


鉢の大きさ

鉢は、せめてポットよりひとまわり(一号)大きいものを。
私はどうしてもベランダー傾向があるので、小さい鉢をたくさん育てたいと思い、ついつい3.5号くらいの小さめの鉢を選んでしまうのですが、そうすると根詰まりはもとより、水切れもしやすくなるので、夏場の水やりが大変になります。

小さい鉢で育てるのは意外に高度な技です。盆栽がまさにそれですもんね……。

ずぼら的には、スペースの余裕さえあるなら、最初から大きい鉢に植えれば、植え替えの手間も省けるしいいんじゃない?と思うのですが、根っこがうまく張らない等の理由で、それもダメなのだそうです。


なお、鉢のサイズの「○号」っていうのは、その数字に3cmをかけたものが鉢の直径、ということです。
3.5号鉢なら直径が10.5cmです。


誘引するためのひも

オーソドックスなものとしては麻紐。

パン屋さんでパンを買った時に袋の口を閉じてくれるような、中に針金が入っていてねじって止めるタイプのものもあり、私は今それを使っています。
ねじるだけなので楽です。
ですが、幹がしっかりしている植物にはいいんですけど、細いと針金で痛めてしまう気がしてちょっと心配です。
なので麻紐とか、タコ糸とかがやっぱり適しているんじゃないかなと思います。

100円均一で「あ、これ便利じゃん」って思って買ったんですけど、こういう一見便利でも実はそうでもないかもしれないっていうものは園芸番組では紹介されないことが多い気がします。

私が真面目に観ていなくて道具の紹介に気付いてないだけかもしれませんが、やるなおぬし、という感じです。

ちょっと追記
思っていたんですが

趣味の園芸で、このねじねじ使っているありました。
の植物だったか忘れてしまいましたが誘引使っていたんです
これ草本誘引するキズがつくのが気になっていましたけどたしかに木本ならキズつきません。使い方の問題だったのか〜。


さらっと読めるものを目指していたはずなのに、なんか長くなってきました……。
次は水やり編です。たぶん。



【初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識】

2013年4月26日金曜日

初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識 その2・種まき編

至る所で藤が綺麗な花を咲かせているのに、私の庭藤はまだ小さい葉っぱががんばって出てきているところです。
花は咲いてくれるのでしょうか、と言っても寒肥がだいぶ遅かったので文句は言えませんが。

こんばんは。

さて、道具編に引き続いて、種まき編です。

種まきの基本の手順としては、鉢や黒いポリポット、卵のパック(※)なんかに清潔な土を入れて水で湿らせた後、種をまいて土をかぶせて霧吹き等でうっすら水やり、という感じです。

土は種まき用の土じゃなくても大丈夫ですが、昔の鉢植えの土の使い回しとかはやめたほうがいいと思います。
ふんわりした状態に水を含ませると体積が減るので、気持ち多めに入れてください。


(※)卵のパック
種まきに卵のパックを使うというのは、プラスチックの卵のパックの片方の底に、錐なんかで排水用の穴をあけて土を入れて種を蒔けば、ふたができるので保湿もでき、光も通す。発芽後はふたを切り取れば鉢受け皿にもなっちゃって超便利!というものです。
ちょっと貧乏臭いかもしれませんが、確かに便利ですし卵のパックからちょこんと芽が出てくる様は非常に可愛い。

ただマメ科の植物なんかは、根がまっすぐ育つ直根性という性質があって移植を嫌うので、卵パックは避けたほうが無難です。


発芽の条件は水、酸素、温度なので、これらを用意すればOK。

●水


じょうろでじゃぶじゃぶ水をあげると、小さい種が流れたり、発芽したばかりの芽が倒れたりすることがあります。
そういう時には霧吹きか、腰水といって水を張った容器にポットを入れて底から吸水させるといいです。
長時間腰水していると水が悪くなるので、土が水を吸ったなーと思ったら外してください。

発芽までは乾燥にはじゅうぶん気をつけて、こまめに水をあげてください。
湿らせた新聞紙をかぶせたりするのもいいそうです。


種まきのときは肥料分のない土、ピートモスなんかを使えと書いてあることが多いと思います。
このピートモス、一度水分を含めば水持ちがいいのですが、乾いているとものすごく水を吸収しにくいです。底面吸水とかでがんばってください。

ピートモスはもともと酸性の土らしいので、土のpHを考えながら使うとき以外は「酸度調製済み」と書いてあるものを。


また、朝顔のように大きい種だと吸水しにくく、あらかじめ一晩くらい水につける必要があったりします。
この種大丈夫?と思ったら、蒔く前に種の名前で検索してみてください。
「そのまま蒔けます」的なことが書いてある種もあります。



●酸素


植物は光合成によって酸素を作りますが、生きるために呼吸もしています。
種のうちは光合成できないので、酸素が必要になります。

土の中にある種に酸素を供給するには、水はけのよい土を使うことと、適切な湿度を保つことですね。
乾かないようにと水をあげすぎると腐っちゃいます。



●温度


種を買うと「3月〜6月」みたいに種まきの時期と、成育適温、発芽適温が書いてあると思います。

「3月って書いてある!よし3月になったし蒔こう!」とテンションに任せて蒔くと、発芽したはいいけど育ってくれないorzみたいなことになってしまいます。
発芽適温・成育適温は重要です。

早めに蒔いてゆっくり大きくなるのも、暖かくなるのを待ってから蒔いてぐんぐん大きくなるのも、ある程度育てばあんまり変わらない気がするので、私は気持ち遅めに蒔いています。

逆に秋まきの場合は、気持ち早めに蒔きます。
寒くなる一方ですからね。


春まきか秋まきか


春まきと秋まき、両方できるものもあります。

春まきは春〜夏にかけて育つので、植物育ててるよ感は強いんですが、夏の水切れや病害虫の心配が出てきます。
夏は下手すると1日に2回水まきが必要になります。

秋まきは秋〜(冬)〜春にかけて育つので、水切れ・病害虫の心配はあんまりないんですけど、寒いのがネックになります。
寒い地域では秋まき自体が難しかったりします。

あと、うっかりしてると種まきの時期を逃すので、春まきのほうが私としては楽しいです。
秋は秋でチューリップなんかの球根ものが待ってますし。


低温処理


種が発芽の条件まで揃うまで待っているのは「種子休眠」といい、条件が揃ってさあ発芽するぞってなることを「休眠打破」というらしいですが、植物によっては、休眠打破のために、一定期間冷蔵庫に入れておくこと(低温処理)が必要になります。

その場合は、種が土に落ちてから冬が来た状態を再現するため、清潔な土に種を混ぜてから、湿らせた状態で冷蔵庫に入れます。
ビニール袋に穴を開けるとかして、乾燥しないようにする、種の呼吸を妨げない、冷蔵庫の中で温度があまり上下しないところに置く、という3点に注意します。
期間は植物によってまちまちだと思いますが1か月くらいでしょうか。

が、必要な場合は袋に書いてあると思います。
野菜とかハーブにはあんまり必要ない印象がありますが、以前カウスリップという、プリムラの仲間の種を買った時には低温処理をしろと書いてありました。
けど種が古かったのか、処理の仕方がまずかったのか、芽が出なかった悲しい思い出です。

ちなみに「春化処理」でも同じような作業をしますが、花芽形成のために低温にさらす場合を春化処理と呼び、厳密には、発芽のために低温にさらす場合は春化処理とは呼ばないらしいです。


●光


基本的には発芽させるだけなら光は関係ないんですが、「光発芽種子」「好光性種子」といって、光がないと発芽しないものもあり、厚く覆土すると芽が出にくくなるらしいです。
(私はばらばらと適当に蒔くので、発芽率を考えたことがありません……)
理科の時間では代表例としてレタスを習いましたが、バジル、シソなんかもこれです。

あと土は黒いので、光に当てたほうが温度は上がりやすいと思います。

発芽後はもちろん光は必要です。
足りないとモヤシ状態になってしまいます。

北向きにしてはわりと明るい部屋に住んでいたころにベランダ園芸を試みたことがあるのですが、人間が明るいなーと思っても植物にとっては光が足りなかったらしく、発芽後の初々しい芽がみるみる徒長(白っぽくひょろひょろのモヤシ状態になる)していきました。
直射日光が当たらず気温も低めのせいか、管理が難しかったです。

なので、同じような条件で園芸を始めようと思っている方は、種まきより苗を買ってきて育てるほうがいいかもしれません。



植え付け編に続きます。たぶん。



【初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識】

2013年4月25日木曜日

初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識 その1・道具編

慣れた方は特に意識せずにされていると思うんですけど、そういう方々が感覚的にやっていることほどビギナーには意識しにくいかなと思い、初心者なりに「こういうことをいちばん最初から知ってればよかった!」と思うことをまとめてみようと思います。

「とりあえずベランダで鉢植えでも育ててみようかなあ〜」という方を対象に書くつもりなので、「庭に花でも植えてみるか」という方にはあまり参考にならない点も多々あると思います。ごめんなさい。

まずは道具編です。

園芸ってちまちました道具がたくさん必要なイメージがあったんですけど、土や肥料等の消耗品以外で、園芸用として買わなければいけないものを考えてみたら、思ったより少なかったです。

鉢で草花を育てるくらいであれば、大抵のものは家にあるものでなんとかなります。
(なんとかなりますが、決しておしゃれではありません。)

さしあたって必要なもの以外は、これじゃなんとかならないなーと思ったり、おしゃれにやりたいなーと思ってから買っても遅くないと思います。


●必要なもの

土入れ

筒を斜めに切ったような形のもの。3つセットくらいで売ってます。
(が、正直なところ1つで事足ります。)
筒部分に土を入れられるので、ふつうのスコップより土入れのほうが使いやすいです。

鉢+鉢受け皿 

室内に鉢を置く場合には鉢受け皿が必要になります。
外で育てるつもりでも、台風が来たりすると退避させる羽目になるので持っていて損はないかと。
かわいい鉢だとお皿とセットになっていたりします。

……くらいですかね。


●必要だけど家にあるもので代用できるもの


じょうろ → ペットボトルやコップで代用可 


はさみ → 文具用のはさみ

文房具のはさみなら、園芸専用にしたほうがいいかもしれません。
園芸用のはさみを買うなら、ちょっと高めのきちんとしたやつがおすすめです。
安いとすぐダメになるので。

鉢底ネット → 三角コーナー用のネット

水色とかの、ちゃんとあみあみになっているもの。
不織布はすぐもろくなるので向きません。またストッキングタイプも向きません。


●あると便利なもの


薄手のビニール手袋

爪に土が入らないので手洗いが楽です。

プラスチック製のバット

台所で使う四角いトレー。100円均一とかにあります。
この中で作業すればこぼれた土の片付けが楽ですし、鉢を部屋の中に置く際の鉢受け皿代わりにもなります。

わりばし

苗の植え付けや、素手では取りにくい虫を取る際に便利です。
わざわざ買わずともおうちにありますよね、たぶん。

ベランダの掃除用具

お隣とのトラブルを避けるために、ベランダの掃除はきっちりと。

鳩避けのトゲトゲのはえたネット状のマット

逆さにして(トゲトゲが下)その上に鉢を置くと、ベランダに直接鉢を置くよりも水はけが良くなり、 鉢の下に虫も住み着きません。
100円均一にあります。

霧吹き


道具類をまとめて入れておく箱



思いつくまま書いたので漏れがあるかもしれません。
というか「あると便利なもの」はもっとあるんですけど、冗長になっても読みにくいと思うので、また今度にします。

100円均一は園芸コーナー以外でも園芸に使えそうなものがけっこうあって、そういう視点から商品を眺めるのも楽しいです。
少量の種を2袋100円で売っているお店もあり、私のようなベランダー(ベランダ園芸をする人)は種も少しでいいので重宝します。



種まき編に続きます。



【初心者の初心者による初心者のための園芸基礎知識】

2013年4月24日水曜日

ごあいさつ

はじめまして、あぽじーといいます。

植物が好きです。

なんだかここのところはっきりしない天気続きで、蒔きたい種も蒔けないし、買いたい苗も買えない、園芸愛好家の春らしいことができない!というわけで、そのフラストレーションをどうにかすべくブログなど始めてみました。

園芸愛好家といっても種にちょっと芽が出たレベルです。
ものぐさなせいもあって、とても「園芸家」は名乗れません。「園芸愛好家」も危ういです。

どのへんがものぐさかというと、やる気にムラがあるのです。
夏なんかはこっちが暑さにまいってしまって、水やりが精一杯だったり、
冬も寒くて外に出て土いじりをする気がおきず、春近くなるまで寒肥を忘れていたり。
園芸ノートも続いた試しがありません。

そのせいで鉢植えをいくつ枯らしてきたか分かりませんが、かつて枯らした植物たちに謝りつつ、今日も植物を愛でています。

園芸日記とか、
外で見かけた植物のこととか、
植物について勉強したこととか、
そんなことを書いていきたいなあと思っています。


なお、ブログタイトルの"Botanical Life."は、いとうせいこうさんのエッセイ「ボタニカル・ライフ」からいただきました。

「ベランダで鉢植えをちまちま育てる」というスタイルが私の身の丈に合っていて、すごく共感できるお気に入りのエッセイです。

このエッセイではベランダ愛好家のことを「ベランダー」と呼んでいて、私もガーデナーというよりはベランダーです。
鉢植えばかり育てているので、このブログに書くのも鉢植えのことが多くなると思います。


あとガーデニングをする人には2種類いるんじゃないかなと思っています。
ひとつは、植物を育てながら庭やベランダを素敵な空間にしようとするタイプ。
もうひとつは、植物を育てることそのものに興味が向いて、庭やベランダの見た目はわりとどうでもいいタイプ。

私はひとつめのタイプでありたいなと思ってはいるのですが、結果的にふたつめのタイプになってしまう人間です。
興味を引く(かつ苗の安い)植物を見かけるとついつい買ってしまって、気がつくとベランダが鉢だらけになっている、という感じ。

たぶんいとうせいこうさんも後者だと、勝手に親近感を抱いています。


こんな感じの好奇心だけは強いずぼら人間ですが、よろしくお願いします!