2013年9月14日土曜日

鉢植えを育てるということ

宇多田ヒカルのアルバム「DEEP RIVER」を聴いていたら「植木鉢に水を与え」という歌詞が耳に入ってきました(「東京nights」という曲)。

ドラマや映画、小説なんかでもよく「小さい植木鉢を一つだけ育てている」という状況があると思うんですけど、そういう人たちって肥料はどうしているんでしょう?

小さい鉢植えだけだと、肥料を1袋買ってしまったらかなりもちますよね。
それに植え替えが必要になったら移植ごてとか、観葉植物だったら霧吹きなんかも欲しくなります(私は実際にはシャベルってほとんど使いませんが)。
でもそういったものまで買っちゃうと、もう本格的に園芸を始めざるを得ないというか、「小さい鉢植え一つだけ」の域には留まらなくなると思うんです。


そういえば園芸を始める前、そういう人たちに憧れて、私にも「小さい鉢植え一つだけ」の時代がありました。
でもただひたすら水しかあげないので、あんまり大きくならないんですよね。すぐ枯れてしまって、それゆえ一時的なマイブームで終わっていました。

そもそも、そのころの私には「コンスタントに肥料をあげる」という認識がなかったんです(今も欠けていますが)。
高等なテクニックを要する植物を育てている人が特別な時にあげるもので、ハーブには必要ない、みたいな印象でした。

「肥料をあげないと植物って育たないんだ」と気付くまでに何鉢枯らしたことか。


創作物に出てくる「小さい鉢植え一つだけ」の人たちって素敵なイメージの人であることが多いので、私のように「苗を買ってから枯れるまでの一時的な楽しみ」として鉢植えを置いているだけとは考えたくない……。
それとも、部屋中が鉢だらけになるまでの過渡期なのでしょうか。


ところで、小さいポットでかわいくハーブを育てる、キッチンで収穫ができる!みたいなキットを雑貨屋さんでよく見かけますよね。
収穫したハーブの絵が描いてあったりして、あのポットで最後まで育てられると思うじゃないですか。

でもパッケージに小さく「大きくなったら植え替えてください」みたいなことが書いてあったりするんですよ。私は書いちゃいます!大きく!

植え替える時には鉢を買わないといけないし、当然土も足さないといけないし、元肥(って入ってるんでしょうか?)が切れたら肥料も買わないといけない。
土は2リットルくらいの少ない袋を買えばいいとしても、肥料を買ったら、もう戻れない気がします。どんなに小さい袋を買ったとしても、小さい鉢植え1つを育てるには多すぎますもん。

ちょっとかわいいポットで、ちょっとだけハーブを育ててみたかったはずなのに、いつの間にかちゃんと鉢と土と肥料を買ってちゃんと育てている。
しかも新しい植物を買ってきて育てる準備まで整っている。

なんと巧妙な罠でしょうか!

創作物における「小さい鉢植え一つだけ」も、同様の罠かもしれません。


いや、実際は単なるイメージで植木鉢というアイテムを使っていることが多いんだと思いますが、そのお話の世界観の中で、「小さい鉢植え一つだけ」の人が、実際にどういう世話をしているのかは気になります。

映画「レオン」で主人公の殺し屋レオンは、観葉植物(アグラオネマ)をひと鉢育てています。
霧吹きで水を吹きかけて葉っぱをふく、というシーンはあったような気がしますが(観葉植物ってそういう手間が必要なんだ、とレオンで知りました)、肥料をあげるシーンがあったかどうかはあいにく覚えていません。どうしてたんだろうなあ。


昔は気にならなかったのに、今はこんなことを考えるようになってしまった、といえば、毎度おなじみになりつつある「ベランダ絵日記帖」にも、同じようなエピソードがありました。それも「レオン」に関して。
エピソードを全部明かしてしまうのもいけない気がするので詳しくは書きませんが、あの泣ける結末が、さらに泣けるようになります(笑)


園芸を始めたことによって見る目が変わる映画、私は「サウンド・オブ・ミュージック」です。
長女リーズルと彼氏が温室で"You are 16 going on 17. Baby, it's time to think."という歌を二人で踊りながら歌うシーン。

子どもの時は、ちょっと大人っぽいシーンなのでドキドキしながら見たものですが、今では「あんなに広い温室があったら、苗の管理とか鉢の冬越しとか楽だろうにな〜」と思いながら見てしまいます(といっても園芸用の建物ではなくて、ガラス張りの東屋だと思います)。あの時の純粋な心を失った気がします。


などととりとめもなく書いてしまいましたが、やっぱり気になるなあ。

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